6月1日(水)蜷川さんの作品を観てきました

蜷川幸雄さんの最後の演出作「尺には尺を(Measure for Measure)」を観てきました。シェイクスピアの問題作ともいわれる喜劇。原作の持ち味を変えることなく演出された蜷川ワールドに、魅了され、ひきこまれていきます。

さいたま芸術劇場の奥行きのある舞台を存分に生かした登場のシーン。ここからゾクゾクッとさせられました。蜷川さんらしい舞台演出の数々。個性的なキャラクターが登場し、複雑に関わりますが、時にはコミカルに、アイロニックに、そしてスピーディーに展開していきます。公爵(謎の修道士)を演じる辻さん、修道女見習いの少女イザベラを演じる多部さんといった俳優さんたちが、堂々と豊かに演じる姿がすばらしかったです。「目には目を」という裁きを下す公爵。しかし、...最後に意外な告白..(ネタバレなのでやめておきます)

とにかく楽しく感動的な劇でした。

最後に俳優さんが勢揃いしてお辞儀をした直後、天井から蜷川さんの大きな写真ポスターが降りてきました。俳優さんが向きを変えお辞儀をします。会場はスタンディングオベーショ。思わず涙が...。もう、これにはやられました。蜷川さんの劇を観ることはできないのかと思うとなおさら感無量でした。

川口市出身。世界の蜷川幸雄。本当に好きだっただけに、彼の死は惜しまれます。

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献花台
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過去の作品の写真を始め様々な展示物が

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