今回の展示会への私の出品作品を紹介します。「漆黒と月あかり」という作品です。もちろん、素材は革です。革の表面を削ったのち、漆をかけています。漆は数回以上かけることで、つやと輝きがでます。最近は、日本古来の漆塗りの技法を皮革でも取り入れています。中心を月に見立て、闇を照らすあかり道をイメージして作りました。漆黒の闇を照らす月明かりのような、幻想の世界をイメージしました。
いよいよ、革工芸展の作品展が開催されます。全国から、革工芸の美術品が集まります。今回は中国などの海外からの出品もあります。革工芸というとお財布やバックといったものを連想される方も多いと思いますが、出展作品は実に多様です。壁に掛けるタイプのもの、家具や照明器具、人形、絵画や掛け軸のようなもの、複雑な立体オブジェ等、これも革でできているの?というもの、繊細で精緻な仕上がりのもの、アメリカン、エスニックな香りのものから和のテイストのものまで様々です。無料でお楽しみいただけますので、興味のある方は是非、ご来場ください。
日時 平成29年11月23日(木)から11月26日(日)
10:00~18:00 最終日のみ17:00まで
場所 東京芸術会館(池袋駅西口徒歩5分)
5Fギャラリー すぐとなりのスペースに販売コーナー
当日は、作品鑑賞の他、出展した作家さんの手作りの小作品も販売しています。こちらも、お楽しみください。
第35回日本革工芸展に参加しました。革の公募展としては日本で唯一の展覧会です。場所は池袋にある東京芸術劇場。吹き抜けガラス張りのホールをのぼって5F。会場には多くの方が見えていました。作品は、カタログで見るのと、実際に直接拝見するのとでは違うなあと実感しました。立体的な質感、大きさ、革のぬくもり、こまかい写実、繊細な細工などがわかります。また、革工芸の世界の多様さがわかりました。革でつくった人形、髪の毛一本一本からすべてが革。藍染めの服、布と思いきや革。動物などを革で創作した立体的な作品、そこにお花畑彫り込んであったりする。カービングを極めた作品。壁掛けの作品も絵画のようなものから、革の素材を生かした抽象的なオブジェまで様々。中には家族の顔が写実的に描かれている。それぞれがユニーク。漆を塗った作品。濃淡もつけてまるで木の漆塗りにしか見えないもの。実用品として使ってみたい、贅沢かつ斬新な手作り作品。人間がすっぽり入る巨大なバッグ。革工芸の可能性の広がりを感じさせます。
写真等で紹介できないのが残念ですが、魅力的な作品がたくさんありました。多くの主催に携わった理事さんはじめお疲れ様でした。若い方々にも、是非この魅力を知っていただきたいなあと思いました。レザークラフトのアートが、今後とも発展していくことを期待してやみません。
熊本大地震で被害にあわれている方々のことを思うと大変胸がいたみます。なおも収束が見えない不安感におびえていらっしゃる方々の気持ちをお察し申し上げます。
材料となる革の買い付けには、一人で浅草橋や荻窪などに出かけます。何軒も回ります。大勢の生徒さんの材料ですので、できるだけ安く、豊富に材料を用意したいからです。(m)